【アニメ】
・Kanon 第24話「夢の中の追複曲 〜kanon〜」

マジでか…。
いや、京アニならやると思っていたが…。
「CLANNAD」京アニの手によりアニメ化決定!!
⇒公式サイト
いつ放送だろうか?
それまでに原作プレイしておこう。

本題のアニメ内容。
涙で画面が見えなくった。
もう言い尽くしたような気もするが、京アニは本当に神だ。
23話の付近までくれば最後のまとめ方も大体目に見えていたとは言うものの、
さすがに最終話でのこのまとめ方には感動した。
ストーリーにも原作以上に感動した。
真琴ルートの点もあり、京アニは原作の魅力を原作以上に引き出す力があると言える。
まさかあゆの話をそうやって持って来るとは思わなかった。
今日はいつもと違い、全てのシナリオを書き出すことにする。


名雪『あさー、朝だよー。朝ごはん食べて、学校行くよー』
祐一「…」

祐一「名雪ー、朝だぞー!名雪、起きろ。名雪!」
名雪「うにゅー…」

名雪「春休みの夢見てたよ」
祐一「気が早すぎる、まだ2月だぞ」

秋子「おはようございます」
ピロ「ニャー」
祐一「おはようございます」
名雪「おはよう。…うわぁ、新作のジャムだねえ」
秋子「えぇ、早速試してね」
名雪「うん!」

-オープニング-

祐一「なんで、走ってるんだろうな、俺たち」
名雪「だって、お母さんのジャム、すっごく美味しかったんだよ。
    ホラ祐一、頑張らないと、間に合わないよー」
祐一「くそぉ」

祐一「…間に合ったぁ……」
名雪「良かったね」
祐一「大体だな、遅れそうなときぐらい我慢しろ!
    秋子さんのジャムはいつでも食べられるんだから」
名雪「あ…そう、だよね…。お母さんのジャムはいつだって食べられるんだよね」
祐一「今度、あのジャムも食べてあげろよ」
名雪「うー、祐一食べてー」
祐一「俺はジャムアレルギーなんだ」
名雪「そんなの初めて聞いたよ」
北川「よう、何の話だ?」
祐一「秋子さんの特製ジャムについて語り合ってたんだ」
香里「えっ、あのジャムまだあったの?」
祐一「お前も食ったことあるのか」
香里「前に、名雪の家に遊びに行ったときに…」
祐一「はぁ、そうか…」
北川「なになに?ジャムって何のことだ?」
祐一「世の中には知らないほうが幸せなこともある」
北川「はぁ?」
香里「そうだ相沢くん、あのね」
祐一「えっ?」

祐一「ハァハァ…」
栞  「祐一さん?」
祐一「!…やっぱり、ここに来たか」
栞  「はい、今日から学業再開です」
祐一「休んでればいいのに。どうせ、もう一回一年生確定なんだろ」
栞  「そんなこと言う人キライです」

栞  「お久しぶりです」
祐一「あぁ。良かったな、栞、学校に出られるようになって」
栞  「祐一さん…」
祐一「また百貨屋でパーティーしようぜ。病気が治ったお祝いにさ」
栞  「こんな時…こんな時は泣いてもいいんですよね…」
祐一「あぁ…」
栞  「…祐一さん!私本当は死にたくなかったんです!お別れなんてイヤです!
    ひとりぼっちなんて…イヤです……」
祐一「泣きたい時には泣いたっていいんだ。ずっと我慢してたんだから」
栞  「はい………はい…」

佐祐理「さぁ、どうぞ」
三人「いただきます」
祐一「でも良かったよ、二人とも卒業前に退院できて」
佐祐理「はい、お医者様もビックリなさっていました。こんなに治りが早いのは奇跡だ、って
     ね、舞?」
舞  「うん」
祐一「奇跡…」
佐祐理「でも受験には間に合わなかったから二人とも浪人ですけど…。ね、舞?」
舞  「うん」
祐一「舞も大学行くのか?お…」
舞  「佐祐理と同じ学校で、動物さんを診るお医者さんの勉強をする」
祐一「そうやってメガネかけて読書してると頭良さそうに見えるんだけどさ…。
    お前って勉強ダメダメだろ?大丈夫なのか?」
(舞が、読んでいた『かちかちやま』の背表紙で祐一の頭を殴る)
祐一「あ゛いでー!!」
佐祐理「あははー。舞はそんなに頭悪くないですよ」
祐一「そうなのか」
佐祐理「そうだ祐一さん、探してたお友達は見つかったんですか?」
祐一「ん?」
佐祐理「月宮あゆさん」
祐一「あ、あぁ…もう逢えないって言ってたから、多分どこかに引っ越したんだろ…」

??「祐一さん」
祐一「!あ…秋子さん…」
秋子「誰かと、間違えた?」
祐一「あ…いえ。あいつが『祐一さん』なんて呼ぶわけないのに…あはは」
秋子「…」

祐一「でも本当に良かったです。事故の後遺症もなくて」
秋子「先生方も驚かれてました。あんまり回復が早いから、まるで『奇跡』のようだって。
    祐一さん、あゆちゃんがどこにいるか分からないかしら?私も気になってるの。
    名雪も心配してるし、何だか何をしてても落ち着かなくて…」
祐一「秋子さん、俺思い出したんです」
秋子「えっ?」
祐一「7年前にあったこと。冬休みの最後の日に、俺の友達が木から落ちて病院に運ばれた。
    俺は事情だけを聞かれて、そのまま帰された。
    駅前でボーっとしているところに名雪が来た。
    名雪は事故のことは知らなかった。
    俺は名雪に八つ当たりして、親と電車に…。後のことは良く覚えてません…。
    久しぶりに会っても、秋子さんは気を遣って俺に事故のことは言わなかった。
    いつか木の話をしたのは、俺が覚えているか確かめるため。
    そうでしょう。同じ事故を起こさないために、あの木は切られたんですね。
    木から落ちた子の名前は…月宮あゆ。あゆは、もうこの世には…」
秋子「えっ、それは違うわ、祐一さん誤解してる。
    だって、木から落ちた女の子は亡くなったわけじゃなくて……」

(あゆが眠っている病室へ向かう祐一)
祐一「…」

佐祐理「祐一さーん」
祐一「!やっと見つけたぁ。この学校人が多くて。
    卒業おめでとう。これ、ささやかな気持ち」
佐祐理「あははー。ありがとうございますー」
(後ろからチョップ)
祐一「うっ!お、舞いたのか」
舞  「…」
祐一「冗談だよ、忘れてないって。ほら」
舞  「ぁ…」
佐祐理「良かったね、舞。
     これからみんなで二次会なんですよ。祐一さんもいらっしゃいませんか?」
祐一「ちょっと寄りたい所があるから後から行く。代わりに北川でも誘ってやってくれ」
舞  「あの子のところ…」
祐一「あぁ」
佐祐理「毎日通ってらっしゃるそうですねー」
祐一「あぁ、誰かが話し掛けてやった方がいいらしいんだ」
佐祐理「あゆさんのご家族の方とは?」
祐一「週末には顔を合わせてる。早く目を覚ましてくれるといいんだけどな。
    じゃ、後で顔出すから」
佐祐理「はい、それではー。…7年間も眠り続けてるんだってね、事故の後…。
     佐祐理たちも今度お見舞いに行こうね」
舞  「うん…」

祐一「あゆ。今日な、ウチの学校の卒業式だったんだ。
    舞もお前のこと気にしてたぞ。覚えてるだろ?夜中に学校で会ったよな」
あゆ『夢。夢を見ている。
    大好きな人が側にいる夢。その人はボクに話しかける。いろんな話を聞かせてくれる。
    7年ぶりに逢った従姉妹のこと。人間になった仔狐の話。
    毎日学校の裏庭を訪れる不思議な少女。お化けとたたかう女の子。
    そして、夕暮れの街で再会した幼なじみ…。
    夢。夢を見ている。
    大好きな人が側にいる夢。繰り返される、当たり前の毎日。
    そんな夢のカケラが、何度も何度も訪れて、心を満たしてゆく。
    空から降る雪のカケラが、街を白く染め替えていくように…』

栞  「祐一さん、例えばですよ。
    例えば…今、自分が誰かの夢の中にいるって、考えたことないですか?」
祐一「何だ、それ?」
栞  「ですから、たとえ話ですよ。
    夢を見ている誰かは、夢の中でひとつだけ願いを叶えることができるんです」
祐一「ぁ…」
栞  「夢の世界で暮らし始めたときは、ただ泣いていることしか出来なかった。
    でも、ずっとずっと夢の中で待つことを諦めなかった。
    そして、小さなきっかけがあった。願い事は、永い永い時間を待ち続けた
    その子に与えられた、プレゼントみたいなものなんです。
    だから、どんな願いでも叶えることが出来た。
    病気の女の子を治すことも、事故にあった人を救うことも、
    怪我をした友達を治すことも」
祐一「願い事は一つじゃないのか?」
栞  「その子が何を願ったかは分かりません。でも、その子が大好きな誰かにずっと笑って
    いてほしい、そんな風に願ったんじゃないでしょうか。
    そのためには、周りの人たちもみんな幸せでなければならないでしょう?」
祐一「何故、そんな風に思えるんだ?」
栞  「分かりません。ただ、病気が治ってからずっと、そんな気が…してて」
祐一「…」

祐一「夢の中…」
名雪『奇跡って、起こせる?』
祐一「!」

名雪「はい、出来た。あゆちゃん、赤いカチューシャしてたのにね…。
    それじゃ、私先に帰ってる」
祐一「あぁ、いつも悪いな、忙しいのに」
名雪「別に祐一のためじゃないもん、あゆちゃんのためだもん。
    祐一…私、今なら信じられる。奇跡はあるんだよ。
    ふぁいとっ、だよ。じゃぁね」
祐一「…」

祐一「名雪は推薦で陸上の強い大学に行くそうだ。
    香里は頭いいから、多分志望校に合格すると思う。舞は何とか合格ラインに届くらしい。
    栞は美術部の共同制作で、この間何かの賞をとったって、喜んでた。
    ……あゆ、俺の声、聞こえてるよな…あゆ…」
(扉をノックする音)
祐一「……どうぞ」

祐一「今日は佐祐理さんと一緒じゃないのか」
舞  「…祐一、きっとこの子は今でも待ち続けてる。祐一を」
祐一「…」
舞  「迎えに行ってあげて。私のときのように」
祐一「迎えに…」
舞  「そう、祐一にしか出来ない。約束を果たせるのは、約束をしたその人だけだから」
祐一「…あゆは、どこで俺を待ってるんだ」
舞  「…」

あゆ『流れる風景が好きだった。
    冬。雪の舞う街。新しい足跡を残しながら、商店街を駆け抜けることが好きだった。
    春。雪解けの街。木々の幹に残る小さな雪の塊を、手で掬い取ることが好きだった。
    夏。雪の冷たさを忘れた街。傾けた傘の隙間から霞む街並みを眺めることが好きだった。
    秋。冬の到来を告げる街。
    見上げた雲から舞い落ちる小さな白い結晶を、掌で受け止めることが好きだった。
    そして季節は冬。雪の季節。街が白一色に覆われる季節。
    流れる風景が好きだった。
    だけど、雪に凍りつく水たまりのように、ボクの時間は止まっていた。
    この四角い部屋の中で、季節のない時間の中で、ボクはずっとひとりぼっちだった。
    繰り返し繰り返し、夢の中で同じ風景を眺めながら…。
    明けない夜に身を委ねながら…。
    だけど、ゆっくりと夜が白み始めていた…』

祐一「…!」
(切り株の根元にカチューシャの入った廃れた袋を見つける)
祐一「…うっ…く…」
あゆ『大切な人に、もらったものだから…。
    このカチューシャだって、祐一くんがくれたんだよ…。
    僕にこれをプレゼントしてくれた日のこと、覚えてる?』
祐一「…俺はプレゼントをやってない。あゆに渡してなんかいない」
あゆ『もらっていいの?後で返せって言われても返さないからねっ』
祐一「俺は現実より幻を選んだ。悲しい現実を心の奥に押し込めて、
    安らいでいることの出来る、幻を受け入れた。
    弱い心が潰れないように、思い出を傷つけないために…」

幼あゆ『遅いよ、祐一くん』
祐一『悪い、今度は本当に遅かったよな』
幼あゆ『そうだよ、ボクもう待ちくたびれちゃったよ』
祐一『心配したか?もう来ないんじゃないかって』
幼あゆ『ううん、だって約束したもん』
祐一『あぁ。あゆ、これ』
幼あゆ『何?』
祐一『言ったろ?渡したいものがあるって』
(プレゼントを渡す祐一)
幼あゆ『わぁぁぁ』
祐一『あゆ』
幼あゆ『?』
祐一『さぁ、行こう…』
幼あゆ『うん!』

あゆ「ふぅ…。うー、遅いよー。ぃしょっ…」
あゆ(何だか悲しくなってきた。あの人が目の前に立っていた)
祐一「よう、不審人物!」
あゆ「遅いよー、遅すぎるよー」
祐一「悪い、ちょっと遅れた」
あゆ「それに、ボクは不審人物じゃないよっ」
祐一「何言ってんだ、どっから見ても不審な人だぞ」
あゆ「どこが?」
祐一「全部」
あゆ「うぐぅー!そんなことないもん!」
祐一「どうしたんだ、新手のイメチェンか?」
あゆ「う…笑わない?」
祐一「笑わない」
あゆ「ホントに笑わない?」
祐一「どんなことがあっても、決して笑わないと約束する」
あゆ「…すごくウソっぽいけど…でも、うん、約束だよ」
祐一「俺はこう見えても、約束は守る方だ」
あゆ「床屋さんに行って、髪の毛切ってくださいって言ったんだよ。そうしたら…
    …いっぱい切られた」
(言いながら頭に被っていた帽子を脱ぐあゆ)
祐一「あははははははははははははははははは………」
あゆ(全く遠慮無しにあの人が大笑いしていた)
あゆ「うぐぅ!笑わないって言ったのにぃ!」
祐一「そんな髪型だと、ますます男の子みたいだな。その年で床屋に行くからだ」
あゆ「だって、床屋さんしか行ったことないもん」
祐一「今度名雪に美容院紹介してもらえ」
あゆ「うん…そうする…」
祐一「さぁ、行こうぜ。秋子さんがたい焼きを作ってくれるそうだ」
あゆ「ホント?」
祐一「栞や舞や、香里や佐祐理さんたちも集まってるぞ。みんな俺たちを待ってるんだ」
あゆ「それじゃぁ急がなくちゃね」
祐一「おう!」
あゆ「たい焼き、ボクも作ってみたいな」

あゆ『止まっていた時間がゆっくりと流れ始める。
    たった一つの奇跡のカケラを抱きしめながら…』

あゆ「ねぇ祐一くん」
祐一「ん?」
あゆ「ボク、また元気に走れるようになるかな?」
祐一「当たり前だろ。
    土の上だって、草の上だって、雪の上だって、また元気に走れるようになるさ」
あゆ「うん、そうだよね」

あゆ『どれくらい時間がかかるかは分からないけど…。
    でも、時間はたくさんあるのだから…』


凄い、凄すぎる。
打ち込みながらも泣ける。

舞と同じように過去に行って事態を収拾するという方向は原作になかった。
他のキャラとの融合性を維持しながらもキャラ全てを収め、
その上あゆのストーリーを一歩深く踏み込んだシナリオで描き出す…。
こんなことは京アニ以外には出来ない。

この「Kanon」という作品、「奇跡」をテーマにした作品であるが、
登場人物のそれぞれの「奇跡」が何であったのか、まとめてみた。

祐一⇒起こったこと全て
あゆ⇒幻となって祐一の前に現れる・怪我が回復する
名雪⇒秋子さんの回復(?)
真琴⇒祐一と共に過ごして人間の温かさを感じる
⇒病気の回復
⇒怪我の回復・幼少時代への時間移動
秋子⇒怪我の回復
佐祐理⇒怪我の回復

さて、ここで暇な方には過去の話の一部を書き留めた際の記事を見てもらいたい。
第12話
第13話
第14話
第15話
第16話
第17話
第18話
第19話
第20話
第21話
第22話・23話

いかがだろう。
話のつながりが見えてきただろうか。
このシナリオの構成力、尊敬に値する。

次はらき☆すた、そしてCLANNADか。
京アニも忙しくなったものだ。